意外と知られていない日本人の特性があります。
というか僕もつい1~2年前に知ったのですが、それは「日本人は世界トップクラスにお酒(アルコール)に弱い」というものです。
世の中には、お酒を飲んで真っ赤になる人、体質的にアルコールを受け付けず、少し飲んだだけで気分が悪くなる人、急性アルコール中毒で死んでしまう人がいます。日本では常識ですね。
しかしこれ、日本を含む東アジアだけの常識です。
「世界で一番お酒に弱い日本人」
最近「世界で一番お酒に弱い日本人(横井秀輔)」という本を読みました。
世界で一番かどうかは分かりませんが、日本人は世界的に見たら「お酒に弱い民族」だということがデータ付きで書かれてあります。なかなか興味深い内容でした。
その本の冒頭に、
日本人には、酒豪もいれば、一滴も飲めない人もいます。それは体質的なものと、私たちはあたりまえのように受け止めています。ところが、欧米人には飲めない人はほとんどいません。日本人が海外でパーティに出席し、「私はお酒が飲めないので」とアルコールを断ると、「そんな人がいるのか」とびっくりされることもあるそうです。
同著 p3
とあるように、欧米人は飲めるのが当たり前で、「弱い人」「飲めない人」が存在しません(「お酒が嫌いな人」はいると思いますが)。
また、お酒を飲んで顔が赤くなるのは、東アジア系の人にしか見られない現象なので、欧米では「オリエンタル・フラッシュ」と呼ばれているといいます。
自分がどれだけ飲めるか知っておく
毎年のように、大学生の新歓やらで、急性アルコール中毒で命を落とす人がいます。
これなんかは、自分のアルコール耐性を把握していなかったために起こる悲劇といえます。
日本人で、アルコールに弱い人は44%です。約半分です。
引用元:http://www.sapporobeer.jp/tekisei/shikumi/taishitsu.html
それだけの割合なら、自分が弱い体質だったとしてもおかしくありません。それなのに、自分のアルコール耐性を知らないままお酒を飲むというのは、かなりリスクの高い行為ではないでしょうか。
ちなみに未成年で、お酒を飲んだことのない場合でも、自分のアルコール耐性を、あらかじめ調べておくことができます。
自分の「アルコール耐性」はどのタイプか?
アルコール耐性のレベルとしては、大ざっぱに4種類に分けられます。
①強い
②弱い(不活性型)
③弱い(非活性型)
④飲めない
「①強い」人は、いくら飲んでも顔が赤くなりませんし、度数の強いお酒を飲んでも、気分が悪くなることがありません。なかなか酩酊状態にならず、急性アルコール中毒にもなりにくいタイプです。その代わり、アルコール中毒になりやすいというデメリットがあります。
「②弱い(不活性型)」人は、「飲めるけど、顔は赤くなる。ビールを何杯も続けて飲んだり、度数の強いお酒を早いペースで飲んだりすると、頭痛がしたり気分が悪くなる。吐く」という人です。また、酩酊状態になるのも早いです。
「③弱い(非活性型)」人は、ビール1杯飲み干した程度でも、頭痛や吐き気をもよおすことがあり、度数の強いお酒を飲むと、アルコール中毒になり倒れてしまいます。もちろん「一気飲み」はご法度で、絶対ダメです。命にかかわります。
「④飲めない」の人は、まったく受け付けない人です。ビール一杯、おちょこ一杯を飲み干すこともできません。「アルコール摂取=死」につながるため、アルコールを徹底的に避けるべきタイプです。
お酒を飲むときは、自分がそれらのどのタイプなのかを、知っておくことが大事です。
それを知るための目安としては、「両親の体質」を見ることです。両親がお酒に強ければ、自分もお酒に強い可能性が高く、弱ければ自分も弱い可能性が高い。
ただ、「両親の片方が強く、片方が弱い」というケースの場合は、どちらもあり得るため、確証が持てなくなります。
そういう時は「アルコールパッチテスト」が有効です。以下引用。
アルコールパッチテストのやり方
①70%の消毒用エタノールを二~三滴、薬剤のついていない絆創膏にしみこませる。
②前腕の内側のやわらかい部分に絆創膏を貼る
③七分後、絆創膏をはがして、すぐにその部分の皮膚の色をチェックする
④さらに10分後(②から17分後)、もう一度皮膚の色をチェックする
同著 p75
そのアルコールパッチテストの判定方法は以下の通り。
・③の時点で貼った部分が赤くなっている=まったく飲めない
・③で変化なしだが④の時点では赤くなった=弱い
・③でも④でも皮膚の色に全く変化なし=強い
アルコールパッチテストを行うことで、自分がそのどのタイプに当たるのかを知ることができます。
二日酔い・悪酔い対策:飲み方を工夫する
飲み過ぎた翌日は二日酔いになります。
また、飲み方を間違うと、頭痛・吐き気・嘔吐・酩酊などの悪酔いを招きます。
その二日酔いと悪酔いを防ぐための最適の方法があります。それは「水とお酒を交互に飲む」です。お酒を飲みながら、合間合間で水を飲むのです(この時の水を「チェイサー」と呼びます)。
間に水をはさむことで、体内のアルコール血中濃度が薄まります。そのため、体内にアルコールが残りにくくなり、翌日に二日酔いになりにくくなるのです。
僕もこの方法を実践してみたところ、効果を実感しました。
飲み会の翌日に、二日酔いにならず体調を万全にしたいという場合は、おススメの方法です。
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以上のように、日本人はお酒に弱い人が多く、お酒を飲むときは気を付ける必要があります。お酒に強い弱いは完全に遺伝による体質なので、生まれつき決まっています。
お酒をたしなむときは、自分の「アルコール耐性タイプ」を知り、上手に付き合っていくことが大切なのです。