映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に見る1980年代の日本

1980年代の名作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズ(以下BTTF)。

 

前回記事で、この作品についての感想を書きました。

 

この映画を観ていて気が付くのは、シリーズ通して日本ネタが(小ネタ的に)出てくることです。

 

例えば、PART1には日本製の製品があちこちに出てきます。

 

トヨタの車

f:id:ramsyo:20170521225046j:plain
  

SEIKOのストップウォッチ

f:id:ramsyo:20170521225109j:plain

 

アイワのウォークマン

f:id:ramsyo:20170521225129j:plain

 

パナソニックの時計

f:id:ramsyo:20170521225149j:plain

 

このメイド・イン・ジャパンのオンパレード!

 

この映画が撮影された1980年代は、日本が経済的に絶頂期にあり、車や電化製品がアメリカに輸出され、莫大な貿易黒字を得ていた時代です。アメリカに日本製の車や家電製品がだいぶ入り込んでいたのです。

 

当時のアメリカにとって、日本の急成長はかなりのインパクトがあったようです。そのためか、PART2で描かれる2015年の世界では、マーティが日本人上司にペコペコするというシーンが描かれています。

 

要するに、2015年の未来では、日本がアメリカ以上の経済大国になり、アメリカは日本にペコペコするようになる、という未来予測です(この未来予測は外れましたが)。

 

また、PART3にもこんなシーンがあります。

 

1955年のドクがデロリアンを見て「メイド・イン・ジャパン!?」と小バカにするように吐き捨てるシーンです。「日本製はポンコツの粗悪品だ」と言わんばかりです。1955年当時は本当にそうだったのでしょうね。

 

しかし、それに対して1985年出身のマーティは、「ドク、日本製は最高なんだぜ」と真顔で答えます。ドクは「信じられん」といった顔をします。

 

f:id:ramsyo:20170528015039p:plain

 

1955年と1985年の 日本車に対するジェネレーションギャップを描いたシーンです。思わずニヤリとしてしまうのは僕だけだろうか(笑)。

 

BTTFが公開されたのは30年前。30年経った今、改めてBTTFを観てみると、日本の存在感がこれほど大きかったことに、かえって新鮮味を感じます。まさに隔世の感です。

 

その後、日本はバブルが崩壊し低迷。代わりに中国が台頭し、安い人件費を活かして世界の工場となりますが、その中国も今では東南アジアや、バングラデシュなどに生産拠点を奪われつつあります。

 

嗚呼、諸行無常なり。

 

そんなこんなで、こういう日本ネタが盛り込まれているところも、BTTFシリーズの面白いところです。

 

★余談★

 

ちなみにBTTFのPART2には、後に映画『ロード・オブ・ザ・リング 』に主演するイライジャ・ウッドが子役として出演しています。当時8歳くらい?

f:id:ramsyo:20170525221202j:plain