おススメドラマ『BORDER(ボーダー)~贖罪~』感想

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2017年 日本

おススメ度:★★★★★

 

前回記事で紹介した『BORDER』シリーズの続編にして完結編。

 

この「贖罪」は、本編最終話のラストシーンから話が始まります。

 

この「贖罪」、ドラマ本編から3年のインターバルを経て製作・放映されていますが、違和感なく話に入っていけました。

 

メインキャストの人も3年前と比べて違和感なし。各自まったく同じキャラを演出してくれていて、さすがはプロだと思いました(髪の長さが変わってる人はいたけど)。

 

少し心配だったのが「蛇足的な内容になるんじゃないだろうか」ということです。というのも、自分的にはドラマ本編はあの終わり方でいいと思っていたからです。が、観終わってみると、無用な心配でした。蛇足感なし。

 

石川は本編ラストで「ボーダー」を超えてしまったわけですが、その目撃者は誰もおらず、現場には防犯カメラもありません。何が起こったのかを知るのは石川のみ、という状況です。そのため石川には「正直に話すこと」「うその証言をすること」の2つの選択肢が生まれます。

 

正直に話せば、己の正義に従うことができます。ただし、二度と警察官として正義を成すことはできなくなります。ウソの証言を行えば、この先も正義を成して死者の魂を救い続けることができます。ただし安藤のような「悪」と同類になります。

 

はたして石川はどっちを選択するのか。

 

この「贖罪」の面白さは、結末がどっちに転んでもおかしくない、という点でした。

 

今までの話の流れからして、石川は「正直に話す」「ウソの証言をする」のうち、どっちの選択をしてもおかしくありません。どっちの選択をしたとしても納得できる、そんな流れになっています。

 

つまり「どう転ぶか分からない」という面白さがありました。

 

そういう流れと状況を作り上げた脚本が素晴らしいし、ドラマとして非常に質が高いと思います。

 

実際、終盤に石川がどっちの選択をするのか決断するシーンでは、どうなるのか読めずに緊張感が走りました。スポーツでギリギリの接戦を観てる時のような感覚。ドラマでこういう緊迫感を作り出すのはなかなかできることじゃないと思います

 

小栗旬演じる石川と、大森南朋演じる安藤の緊迫感あるやり取りが非常に素晴らしく、加えて今回ゲスト出演した満島真之介のサイコパスな役どころも、見事でした。

 

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ところでラストシーンは誰の後ろ姿なんでしょうかね?

 

小栗旬もとい石川の体格とは違う気がします。もしかしたら第二期の製作を想定しての伏線なのかもしれません(もしそうなら、ぜひとも伏線回収してほしいところ)。

 

もし本当に続編をやるなら、数年以内にはお願いしたいところ。あんまり間が空くと、メインキャストの人たちが老けてしまうので(笑)。

 

ともあれ、この「贖罪」をもって『BORDER』シリーズはひとまず完結となります。僕的には納得できる終わり方でした。