平成が終わり昭和はますます遠くなりにけり

今年で平成が終わる。

 

自分は昭和60年生まれである。幼稚園に入る前に、昭和から平成に移り変わったので、昭和の時代の記憶はほぼない。

 

昭和の時代は1926年から1989年まで続いた。昭和の前半と後半とで、まるで別の国のように変貌を遂げた時代だといえる。

 

昭和時代の時系列

 

1926年(昭和元年) 昭和天皇即位。昭和始まる。
1937年(昭和12年) 日中戦争始まる。
1941年(昭和16年) 太平洋戦争(日米戦争)始まる。
1945年(昭和20年) 終戦。
1954年(昭和29年) 高度経済成長始まる。
1964年(昭和39年) 東京オリンピック。
1970年(昭和45年) 大阪万博。
1973年(昭和48年) オイルショック(高度経済成長終わる)。
1986年(昭和61年) バブル経済始まる。
1989年(昭和64年) 昭和天皇崩御。平成に改元。

 

一口に「昭和」と言っても、かなり範囲が広いので、昭和30年代をイメージする人もいれば、もう少しモダンな昭和40年代以降をイメージする人もいると思う。また、戦前と戦後でもだいぶ違う。

 

昭和の時代を通して、もっとも変わったのは生活スタイルだろう。

 

昭和前期の戦前から昭和30年くらいまでは、マッチで火をつけて調理をし、冷蔵庫がなく、洗濯機がないので服は手洗い、風呂がない家が普通で、畳の部屋で椅子を使わず布団を敷いて寝るという生活を送っていた。自家用車がないので、田舎だろうと歩いて移動していた(と、見て来たかのように書いてるけど、当時生まれてないので、すべて後付けの知識です)。

 

それが高度経済成長期を経て、昭和の後期にもなるとそのような生活が一変する。ガスのスイッチをひねれば調理ができるようになり、冷蔵庫があり、洗濯機があり、家風呂はあって当たり前、洋式の家が増え、マイカーを持つようになる。いわゆる現代的な生活へとシフトする。

 

価値観も変化した。戦前までは「お家制度」が色濃く残っていて、長男は家を継ぐのが当たり前。家に男子がいない時は長女が婿を取る。結婚はお見合いで交際期間なしでするものだったし、性別分業意識の強さも今の比ではなかった。

 

このように生活スタイルにしろ、価値観にしろ、今の時代とは隔世の感がある。

 

そして平成が終わり、次の時代が来ることで、いよいよ昭和の時代は過去のものとなっていく。江戸時代とか、明治時代とかのように「歴史」になっていく。昭和の時代を丸々生きた僕の祖父母世代の人たちも、次々と鬼籍に入るようになっていて、もはや彼らから昭和の昔話を聞くことも叶わなくなってきている。

 

そういえば子供の頃、明治生まれの人と聞くと「すごく昔の人だなあ」と思ったものだが(全員老人だし)、昭和生まれの人間もだんだんそんな見られ方をするようになり、旧世代の人間となっていくのだろう。時の流れとはそういうものだ。

※ちなみに2018年現在、明治生まれの人は約2,500人がご存命とのことです。


そんなこんなで、僕は昭和生まれのはしくれとして、平成が終わることで昭和の日本がますます遠くなっていくような感覚を覚えるのである。