【おススメ映画】隠れた名作『遠い空の向こうに』感想

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公開:1999年 アメリカ(原題:October Sky)

監督:ジョー・ジョンストン

おススメ度:★★★★★

 

隠れた名作としておススメしたい映画です。

 

閉塞感の漂う炭鉱町に住む主人公が、「ロケットづくり」という夢中になれるものと出会い、ひたむきにロケット製作に挑戦するというストーリーで、実話がもとになっています。テーマは地味ながら、脚本が素晴らしく、最後まで見入ってしまう作品です。

 

主人公のホーマー・ヒッカムを演じるのはジェイク・ギレンホール。ヒット作「デイ・アフター・トゥモロー」などに出演している、そこそこ有名な俳優なので、顔を見たことがある方は多いかもしれませんね。

 

以下、映画のあらまし。

 

舞台は1950年代後半アメリカ、炭鉱の町。主人公ホーマーはそこで炭鉱夫の息子として生まれます。その町で生まれた男は皆、炭鉱夫になることが決定づけられていて、ホーマーも例外ではありません。

 

炭鉱夫になる未来を回避するには、成績が抜群に良くて推薦を受けるか、アメフトで推薦を受けるかの、どちらかの道しかありません。その町に住む人たちには、大学の学費を払えるほどの稼ぎがないためです。

 

で、成績がイマイチなホーマーは、アメフトで推薦を受けようとしますが、まったくお話になりません。で、級友2人と何となくつるむだけの、うだつの上がらない毎日を送ります。

 

そんなある日、ソ連が打ち上げた人工衛星「スプートニク」が、その町の上空を流れ星のように通過します。その様子を観たホーマーはひどく感動し、自分もロケットを飛ばそうと決意します。

 

そして生まれ変わったようにロケット作りに夢中になる。無我夢中になる。「これが俺の道だ」とばかりにロケット作りに情熱を傾ける。

 

しかし、ホーマーには様々な壁が立ちはだかります。

 

田舎町ではロケット作りに役立ちそうな本が手に入らないとか、作り方が分からないとか、材料がそろわないとか、父親の無理解、などなど。

 

しかし、ホーマーはあきらめません。様々な手を尽くして粘り強くロケット作りを続けます。

 

途中、家計のために学校を中退して炭鉱夫にならざるを得なくなりますが、炭鉱に専門書を持ち込んで休憩中に読み漁り、まるで石にかじりつくかのように、ロケット作りをあきらめません。どんな状況でも決してへこたれず、夢を追い続けます。

 

この映画から発せられるのは、「無我夢中になれば未来は拓ける」という力強いメッセージです。

 

ホーマーはロケットづくりをやると決意してから、あらゆる行動を取ります。そして何度も失敗を繰り返しながらも、試行錯誤を繰り返し、ロケットを完成させようとします。 

 

その姿を観ると、自分も何かに情熱を傾けて無我夢中になってみたくなります。やる気がみなぎってきます。今、何かに挑戦している人なら、なおさら主人公のホーマーに感情移入し、やる気がわくのではないでしょうか。

 

そしてもう1つ、この映画の感動ポイントはホーマーと父との関係です。

 

この父子はお世辞にも仲が良いとは言えません。常に葛藤が生じています。しかし、嫌い合っているわけでもありません。そして終盤、ホーマーが父に対して粋なセリフを口にします。この映画の中でもっとも好きなシーンです。

 

そのセリフはあえてここには書きません。是非とも本作を観て頂きたいと思います。

 

この映画は、夢を持ち、努力をし、成功をつかみ取る。そんな力強い内容の映画です

 

おススメの一作です。