発想を変えて生きやすく!ひろゆき「無敵の思考」読感

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ひろゆき氏「無敵の思考」を読みました。

 

あの悪名高い(?)掲示板「2ちゃんねる」の、元管理人「ひろゆき」こと西村博之氏が、今まで各所で話したことをまとめた本です。彼ならではの柔軟な思考・発想に触れることができる著書です。

 

というわけで、自分が気になったいくつかの項目をピックアップし、感想を書いていきます。

 

ランニングコストを上げるな!

 

社会人になってランニングコストを必要以上に上げてしまった結果、その上がったランニングコストを維持するために時間を使い続ける人が多いのです。こうなってしまうと、不幸な人生から抜け出せません。

p7-8

 

ランニングコストとは、生活を続けるための固定費のこと。

 

例えば家賃、光熱費、電話代、ネット代、車の維持費などなど。それらを無意味に上げると、そのコストを維持するために生きることになり、がんじがらめになってしまいます。

 

「一度上げた生活レベルを下げるのは大変」とはよく言われます。それなら始めから生活レベルをほとんど上げず、ランニングコストを維持しておけばいいのです。そうすれば「何かあった時にもそこまで焦らずに済む」とひろゆき氏は言います。

 

ランニングコストが低ければ、たとえば失業したとしても、しばらくは貯金と失業保険で生きていけます。焦らずじっくりと次の職を探すことができます。

 

結婚してる男性なら、奥さんが出産を機に産休・育休に入ったり、仕事を辞めたりして世帯収入が減ったとしても、元々の出費が少ないため、大きなダメージを受けることが無くなります。また、ランニングコストが低ければ、貯金も貯まりやすくなります。

 

収入が上がったからと言って、むやみにランニングコストを上げてしまうと、そのぶん固定費も上がってしまいます。そして結局は「自由に使えるお金」が、収入が上がる前とそれほど変わらないということになってしまいます。世帯年収1000万で「余裕がない」と言ってる家庭などは、まさにこのパターンにはまっています。

 

しかし生活レベルを変えずにいれば、出費が増えずに余裕が生まれ、生きやすくなるのです。

 

消費者は幸せになれない

 

楽しさや幸せを、「お金を使うことで感じる人」は、一生幸せになれません。それは、幸せを感じ続けるためにお金を使い続けなければならないので、アラブの石油王であれば別ですが、多くの人には限界があるからです。「これさえ持てば、幸せになれる」ということを、多くの広告は謳っているわけですが、それを追い求めるうちは絶対に幸せになれません

p62-63

 

消費者のままの人生から抜け出すためには、クリエーターになるという方法しかありません。モノづくりをする人は幸せを感じることができますからね。
たとえば、「絵を描いて幸せ」や「写真を撮って幸せ」「文章を書いて幸せ」などということです。これらは「お金をかけなくて幸せになれる手段」なので、それを持っていると自分の時間さえあれば、その分だけ幸せになれます。つまり、時間があればあるほど幸せを感じられる“無敵状態”になれるわけです。

p63

 

つまり「生産者になれ」ということです。

 

「生産者」のイメージとしては、芸術方面で何かを創造してる人や、職人的な仕事をしてる人が、一番わかりやすい例でしょうか。

 

それ以外にも、自分が企画・設計して生み出してるものがあれば、「消費者」ではなく「生産者」といえるでしょう。他にも趣味でDIYとか、家庭菜園をやってる人も「生産者」といえるでしょうね。

 

仕事の選び方を間違えない

 

ひろゆき氏は「年収を偏差値みたいにして仕事を選ぶと、失敗のもとになる」と主張します。

 

例えば、自分の興味ある業界・業種の会社に入社した結果、そこが年収の高い会社だった、というのは良いと思います。しかし「年収が高いから」という理由だけで就職先を選ぶと、つらい毎日が待ってるかもしれません。業務に対して興味・関心が持てなければ、ストレスが貯まっていくだけの毎日になるだろうからです。

 

仕事をするときの心がけとして、「とりあえず就職して、あとはその職業に自分を合わせていく」という考え方があります。それはそれで正しい考え方だし、特に「やりたいことが分からない」「何がしたいか分からない」という人は、そういう心構えが必要だと思います。

 

とはいえ、人それぞれにどうしても合わない仕事はあるものです。コミュニーケーションを取るのが苦手な人が、接客や営業の仕事をやればつらいだけだろうし、逆に人とコミュニケーションをとるのが好きな人が、黙々とやる仕事をやればストレスで潰れてしまうかもしれません。

 

真面目すぎる人には向かない仕事、裏方的な仕事が向かない人など、千差万別に「向かない仕事」があります。なので仕事は「年収」とか「華やかなイメージ」とかではなく、自分の興味関心や適性を考えて選んだほうがいいのです。

 

いい本の5つの条件


ひろゆき氏いわく、「いい本」条件として、次の5つをあげています。

 

・今後10年以上も影響を与える「技術」や「文化」をテーマにしている
・結論に至る「経緯と理由」に筋が通っている
・「資料」から組み立てられていて、個人の感想を書いているわけではない
・一般的な「常識」とは違う結論や発見がある
・単純に読んでいておもしろい

p123

 

読んだ本が良書かどうかを判断するには、この基準をそのまま当てはめればいいと断言できるくらい、明快かつ的確な基準だと思いました。

 

ちなみに、ひろゆき氏は上の5つの条件を満たす本として、「銃・病原菌・鉄」と「コンテナ物語」をあげています。

 

「無理ゲー」で元々


ひろゆき氏は、ゲーム「信長の野望」をプレイするとき、マニアックな弱い武将をあえて選ぶ縛りプレイをやるといいます。

 

「どうせ負ける」という状況の中から「でも負けないパターンを見つけられたらおもしろいな」ということを考えるわけです。悪い状況の中でうまくいったときは、すごく達成感があります。

p138-139

 

どんな悪条件からでも、這い上がる道筋を見つけ出して、「勝ちパターン」にたどり着こうという思考です。これはリアルの人生にも応用が利く考え方です。


今後、逆境に身を置いたり、挫折したりしたときのために、この思考法を脳裏に焼き付けて置こうと思いました。

 

二極化の未来に備えよう


ひろゆき氏によると、今後の日本は次の二択に分かれていくといいます。


・スキルを身につけてお金を稼いで幸せを目指すか
・お金がなくても工夫して幸せを目指すか

 

もし、スキルを得る生き方を選んだ場合は、「スキルそのもの」よりも「スキルを得るためのスキル」が大事だと述べます。あるスキルがダメになっても、他のスキルを 素早く身につける術を持っているかどうかということです。

 

例えば、エクセルをマスターした事務員がいるとする。しかし事務職というのは、今後AIの導入によって人員が大幅に削減されると言われています。その時、エクセルのスキルにこだわらず、AIを管理にするスキルを身につけることが出来れば、生き残れるだろうし、あるいはまったく別のスキルを身に付けることができれば、別の場所で食べていくことも出来るでしょう。

 

これからの時代、スキルそのものではなく、スキルを得るためのノウハウを知っておくことが、より重要となるということです。


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以上、個人的に面白いと思った項目をピックアップしましたが、他にも氏の自由で柔軟な発想な話が盛りだくさんです。

 

これからの時代を生き抜くためのヒントが、このひろゆき流「無敵の思考」には込められています。